〜 アーチェリー選手メッセージ 〜 宮永 光生さんアーチェリーの魅力とはなんですか?障害を持って10年くらいになりますが、高校ぐらいまでは歩くのが精一杯でした。でももともと体を動かすのが好きなので、自分にもできるスポーツはないかな、と思って始めたのが、アーチェリーでした。 いざ始めるのには勇気がいりましたが、そのときちょうどアテネオリンピックで山本選手が活躍しているのをテレビ等で見て、やっぱりかっこいいな と思い、どんどん惹かれていきました。 実際に始めてみて、やる前の印象と違うところはなんですか?やる前は、ただ的に当てればいいだけなので、簡単なのではと思っていたのですが、実際には全くそういうことはなく、フォームのバランスや力加減がちょっとでも違うと、矢は的に当たりません。だから最初のうちは、正直面白くなかったです。 今では的に当てることはできますが、なかなか矢を中心に集めることができません。まだまだだと思います。 矢を中心に当てるコツはなんですか?集中力と、一連の動きやフォーム、矢を放つタイミングだと思います。 また弦の張り方やサイト(照準)の合わせ方も重要です。そういった細かなことが、ちょっとでもずれると、狙いは狂ってしまいます。まだまだ使いこなせてないなと思います。 そうやって複雑な分、のめり込めるというのもあるのではないですか?それもありますね。あと、忙しくて週1回しか練習ができないときでも、 そういった限られた時間の中で、自分のしたいときに好きなだけ練習ができるのが魅力です。チームワーク重視のスポーツではないので、自分のペースで練習ができるうえ、自分の努力次第で早く上達することもでき、またそういったがんばりが点数になって、目に見える形で表れるので、そういったところもやりがいがあると思います。 何か得られたものはありますか?サッカーでデフリンピックに出場した職場の同期がいるのですが、彼にとってサッカーは、「人生になくてはならないもの」だと言っていました。 そんな彼と比べ、毎日の仕事に追われているだけの自分を省みて、やはりうらやましいなと思っていました。けれども今では自分にも打ち込めるものができたので、それが嬉しいです。 アーチェリーをやっているときは、仕事のことを忘れて、気持ちを切り替えることができます。 あまり職場の中では、自分がアーチェリーをやっているということは言っていないとのことですが、どうしてですか? まだ人に言えるほど上達してもいないので・・・ 他にも何か嬉しかったことはありますか?休日の過ごし方が大きく変わったというのも、大きいと思います。 それまでは一日家で寝ていることがほとんどでしたが、アーチェリーを始めてからは、朝から練習をしたあとで友達と遊んだりして、充実した休日を過ごすことができています。 今後の目標はなんですか?まず周りの教えてくれる人たちや、チームメイトたちに認めてもらうことです。自分を教えてくれる人たちは、世界的な大会で優勝しています。 そういった、障害に負けずがんばっている人たちを見てきているので、自分もそうなりたいなと思います。 アーチェリーは、一生続けていきますか?周りには、70歳になってもやっている人もいます。 またアーチェリーは、体力が落ちてきても、弓の重さを変えるなどして続けていけるので、できるところまでがんばりたいと思います。 また、障害者スポーツというのは、趣味の一環ととらえられがちなので、そうではなく、本格的なスポーツなのだということを社会にわかってもらえるような、そういう活動ができる人間に将来的にはなりたいです。 さらには、障害者アーチェリーは自分と同じ世代の人が少ないので、そういう人たちにもアーチェリーの良さを広めていけるようになりたいです。 のじぎく兵庫大会に出場できたら、目標は?出るからには優勝をねらいたいです。 でもそれよりも、いろんな人に出会いたいし、またそしていろんな人に、アーチェリーの魅力を知ってもらいたいと思います。まだまだ「障害者にもアーチェリーができる」ということを知らない人も多いので。障害者にもいろんなことができるのだということをわかってもらいたいです。 |